飛ぶ夢を見なくなった

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子どもの頃、

よく飛ぶ夢を見た。

大人になってからも、何度かは

見たように思う。

 

そろえた両足から、

片足で踏み込んで、飛び立つ。

 

すごく軽く、フワと飛び上がる。

 

でも、いつも低空飛行で、

何かにぶつかりそうになって、

 

それを避けながら飛んでいた。

上手に飛びたいと思っていた。

 

子どもの頃は、

学校内の廊下を飛んでいた。

 

でも、

誰も私が飛んでいることに

気がつかない。

 

 

大人になってからは、

 

何かから逃げたり、

追ったりしていたように思う。

 

何かを見おろしたかったのか

逃げ切ることができたのか

何かに追いついたのか

 

わからない。

 

夢の暗示を

知りたいと思うこともなかった。

 

現実の世界で、

苦境から逃げたくて見た夢

というわけでもなかった。

 

ただ、

 

そうだ。

私は、飛べるんだった。

 

と、気がついて、

 

飛ぼうと焦る。

 

次の瞬間、

地面から足が離れ、

からだが軽くなり、

飛び立ったことがわかる。

 

私は、

ホッとしていた。

 

飛べたことがうれしかった。

 

 

ほら、

飛んだ!

 

やっぱり、飛べた。

 

 

 

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